こんにちは、道尾マナブです。今回はレンタカー回送の実態について。
レンタカー回送という仕事はキツイ、金にならない、などネガティブなイメージが浮かぶ方も多いかもしれません。
一方で、たくさんの道を走って覚えられるというメリット(?)もあります。私は学生時代、「レンタカー回送」を2年余りつとめ、道路網・鉄道網を頭の中で描けるようになりました。
道路を覚えるには、結局運転の仕事をするのが一番です。目的地や期限がある、所要時間を意識しなきゃならない、日常的に運転する…、自然と道路を覚えるモチベーションが上がります。
今回は、レンタカー回送が一体どんな仕事なのか?その実態をお教えします!
筆者はレンタカー回送などの経験を基に、関東の道路網を解説しています。
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レンタカー回送とは?
レンタカー回送とは、お客さんの使っていないレンタカー車両を運転して移動させる仕事です。単に「回送」とか「陸送」とも呼ばれます。お客さんがレンタカーを使用する前後の車両移動は、すべて回送ということになります。下の図のように、回送には様々なシナリオがあり、時間帯や移動距離も異なります。このページで紹介するのは、道尾がやっていた「外注」の回送です。
実際に回送するドライバーは、レンタカー店舗スタッフ(自社)の場合と回送専門業者(外注)の場合があります。
外注で一番多いのはレンタカー店舗間の回送(例:A営業所からB営業所まで)です。走行距離は、5km以下の近距離から500km以上の長距離まで様々です。その他にも色んな回送があります。
- レンタカー店舗間の車両移動
- 店舗〜ディーラー・整備工場の車両移動
- 店舗〜オートオークション会場への車両移動
- 顧客(主に法人)の元へレンタカーやリース車両を届ける
- 顧客の車両に関する運輸支局での手続き代行(住所変更・ナンバー変更)
補足1 外注の回送業者は、レンタカー会社から依頼を受けて成り立っています。回送業者からみれば、レンタカー会社も「お客さん」になり、これと区別してレンタカー利用客を「エンドユーザー」と呼びます。
補足2 店舗間回送が必要な理由は主に2つあります。1つは、大手レンタカーではエリア内の複数店舗で車両を共有・融通しあっていることがあるから(もちろん同じ会社の他店間)。2つは、ワンウェイ(乗り捨て)で利用されることも多く、出発店舗と異なる店舗へレンタカーが返却された場合、この車両を出発店舗へ戻す必要があるからです。
補足3 世の中にはレンタカーの自走回送以外にも様々な車両回送がありますが、専門性が出てきたり、大型や二種、特殊免許を要する場合もあったりするため、本業とするのでなければハードルが高く感じられます。
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業務の流れ
大まかな流れを図にしました。
自宅から出発店舗まで移動し、業務終了まで回送と移動を繰り返します。
もう少し具体的に段取りを説明します。会社によって違いがありますが、私が所属していた回送会社の場合
- 稼働可能な日時を会社に伝える
- メールで回送業務の指示が送られてくる
- 引取場所へ移動する
- 指定日時に車両をお預かりする
- 納車場所へ車両を運転する
- 指定日時に車両を引き渡す
- 2-6を繰り返す
ワンステ
1. 稼働可能な日時を会社に伝える
いつからいつまで回送業務に従事できるか、回送会社にメールを送るところから始まります(私の所属していた会社の場合)。メールを送れば回送業務の指示をもらえますが、短い稼働可能期間を直前に申請した場合、すでに全ての案件が他のドライバーに割り振り済みで仕事が入ってこないこともあります。もちろん、メールを送らなければ仕事は来ません。逆に、レンタカー業界の繁忙期には人手が足らなくなり「稼働できないか」と打診が来ることもあります。
このように回送は、自分が走りたいとき、稼ぎたいときに仕事ができる、融通が利く仕事であるというわけです。
2. メールで回送業務の指示が送られてくる
メールで会社に伝えた稼働可能期間の中で、回送の案件が組まれます。
引取(ひきとり)場所と時間、納車場所と時間、車種、ナンバー、回送料金などが書かれたメールが、1件分ずつ、あるいは数件分まとめて送られてきます。その他特別な指示が記載されていることもあります。
メールを確認したら、指示を確認した旨と引取予定時刻を必ず返信連絡します。
3. 引取場所へ移動する
早速、1件目の引取場所に向かいます。
交通手段は主に電車、バス、徒歩です。経費は実費で後日支給されますが、新幹線・特急料金は支給されず、原則は普通列車などでの移動となります。ただし、急ぎの案件など特別な場合には新幹線・特急の使用指示が出て、実費が支給されます。回送業務に必要な持ち物を忘れずに。
4. 指定日時に車両をお預かりする
たいていは指定日時以降に引取場所へ伺い、車両を引き取ります。指定日時より前だと、エンドユーザー(お客さん)がまだ車両を返却していないことがあるためです。また、24時間営業ではないレンタカー営業所も少なくありませんが、ほとんどの店舗では、営業時間外でも回送ドライバーが車両を引き取ったり納車したりできるような方策が取られています。
車両を引き取ったら、回送会社に引取完了した旨と納車予定時刻をメール連絡します。
5. 納車場所へ車両を運転する
いよいよ本番、回送開始です。目的地(納車場所)までのルートと時間配分を考えながら、ひたすら運転します。多くの案件で納車期限は十分余裕を持って設定されていますが、実はその代わり、高速道路の通行料金は支給されない、つまり一般道を運行しなければなりません。これが、レンタカー回送が下道を覚えるのに適している理由です。
6. 指定日時に車両を引き渡す
納車期限までに納車場所に到着し、車両を引き渡します。引取時と同様に、納車先が営業時間外の場合は決められた方法で納車を完了します。
回送中は渋滞も考慮にいれて運転すべきであり、納車が遅れることは本来あってはなりませんが、交通事情など何らかのトラブルが原因で遅延することは、残念ながらまれにあります。その際はできるだけ早く会社に連絡を入れ、対処方法を確認します。当然のことですが、納車先の担当者には誠意を持ってお詫びしなければなりません。
納車完了後、回送会社に納車完了した旨と次の案件の引取予定時刻をメール連絡します。
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この仕事の始め方・魅力・欠点
以上、レンタカー回送とは何ぞや、業務の流れは?という解説をしてきました。
では、回送ドライバーにはどうやったらなれるの?この仕事の魅力と残念ポイントは?
すみません、長くなってしまったので後編で解説します。記事タイトルの答えだけ触れておきますが、回送の仕事はたしかにキツイし、稼ぎは良いとはいえません。その辺のことも、後編で改めて説明します。
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実際の回送スケジュールに興味ある方のために、出来るだけイメージが湧くよう実際の回送を再現しました。
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この記事を書いた人 Wrote this article
道尾マナブ
茨城生まれの30代医師。東京都内で妻と幼子と暮らす。小さい頃から道路の絵をノートに描き続け、穴あけパンチのゴミに標識の絵を描き、大人になってからは休日にGoogleストリートビューで国内外をドライブして楽しむのが趣味。息子が道路に興味を示さず、東京スカイツリーのソラマチではトミカの店ではなくプラレールの店に入りたがるのが悩み。